熱中症の予防法と対策このページを印刷する

熱中症は暑い環境でスポーツや労働をしているときのほか、通常の生活時にも起こります。体がだるくなって思うように動かない、筋肉がけいれんする、頭痛、めまい、動悸がするなど、自分にとって普通でない症状が出てきたら、危険な状態といえます。またお年寄りや子どもの場合は、周りの人が注意して見てあげることも必要です。
熱中症は、最悪の場合は死に至るケースもありますが、早めに適切に対処すればほとんどはおさまります。さらに望ましいのは、熱中症に対する知識を深め、的確な予防措置を講じておくことです。

監修:稲葉 裕(実践女子大学生活科学部・食生活科学科 教授)

1. 日常生活時の熱中症を防ぐには

スポーツ時に匹敵するほど多い生活時の熱中症の発生。軽い家事などのときも熱中症に気をつけたい。

「熱中症」というと、スポーツ中とか、炎天下での肉体労働中に起こるというイメージがあるかもしれませんが、日常生活中に起こる熱中症発生数は、スポーツ中の熱中症発生数を上回るほど起こっているのです。
とくに7月の梅雨明け時期は体が暑さになれていないため、ちょっとした軽い作業でも熱中症の原因になりますから、注意が必要です。

熱中症は、どのような生活条件で起こりやすいか

屋外
海、自転車、バス待ち、庭の草取りなど
屋内
家事、飲酒時、店番など
年代別
高齢者に多い
男女別
スポーツ時、労働時の熱中症にくらべ、女性が多い

家の中でも風通しの悪い場所は要注意

同じ家の中でも、風通しの悪い場所では熱がこもりやすく、熱中症が起こりやすくなります。浴室やトイレ、締め切った寝室なども要注意です。また窓のない台所で火を使った料理をする場合も熱中症を起こしやすくなります。

熱中症の発生状況(2006年6〜8月)

お年寄りと子どもには、充分に気を配ってあげましょう。
暑い日は、じっとしていても熱中症を起こすことがあります。

子どもとお年寄りはとくに熱中症になりやすいのですが、どのような点に注意したらいいのでしょうか。

子どもの熱中症を防ぐポイント

  1. 充分に観察する
    顔が赤く、汗っかきに見える場合には、体の深部の体温が高くなっている可能性があります。すぐに涼しい場所へ移動します。
  2. 涼しい服装
    放熱を促進する服装を選んで着せます。環境条件に応じた服の調節を指導してあげましょう。
  3. こまめに飲水を
    のどが渇く前から、こまめに水を飲ませます。
  4. 暑さに慣れさせる
    日頃から外遊びを奨励し、注意をしながら暑さに慣れさせます。暑いときは日陰を選んで遊ばせましょう。
  5. 車の中での熱中症に注意
    短時間でも車中に置き去りにしないこと。直射日光があたると、冬場でも熱中症は起こります。

高齢者の熱中症を防ぐポイント

  1. 室内のコンディションに気を配る
    室内の温度や湿度、風通しなどに気を配り、快適に暮らせるようにしてあげましょう。
  2. 家族が気をつけて水分補給
    高齢になると、のどの渇きを感じにくい「口渇感低下」という状態になり、脱水をおこしやすくなります。家族が注意して水分を取らせてください。
  3. 寝る前にも、枕もとにも水分を
    トイレに起きるのがおっくうで、水を飲まない傾向がありますので、夜も水分補給をさせてください。トイレに起きたあとや、目覚めたときに飲めるよう、枕もとにも飲み物を。
  4. 入浴はぬるめで短時間
    熱い湯に長時間入ると、脱水を起こす可能性があり、また体温が高めになる傾向があります。入浴の前後には、水分補給をすすめてください。

病気で治療を受けている場合は、薬の種類によって熱中症が起こりやすくなることがありますから注意が必要です。

水分補給と冷房の活用は、室内での熱中症対策の柱。
でも、飲みすぎ・冷やしすぎにはご注意。

お年寄りは水分の補給をこまめに
お年寄りはこまめな水分摂取が必要ですが、その目安は、だいたい食事以外に1日1リットル程度とされています。しかし高齢者は水分の過剰摂取により心臓に負担がかかる場合もあるので飲む量を一概にはいえません。病気のある人は、主治医にご相談ください。

飲みものの利尿作用に要注意
水の代わりに、好きな飲みもので水分補給をしてもいいのですが、利尿作用があるものは避けてください。お茶やコーヒーに含まれるカフェイン、ビールなどの酒類に含まれるアルコールは利尿作用があり、脱水を促進することがありますので、熱中症予防には向きません。

冷房は適温で
冷房が効いた部屋から、暑い町中に出たとき、急に気分が悪くなり、息苦しさやめまいを感じることがあります。人の身体は寒暖に順応できるのですが、寒さに対しては神経の反応を素早く調節できるのに対し、暑さに対しては血液や脳の温度を上昇させるまで待たなければならず、適応が少し遅れるのです。部屋の冷やしすぎに気をつけましょう。

監修者紹介

稲葉 裕(実践女子大学生活科学部・食生活科学科 教授)
1973年東京大学医学部医学系研究科・保健学修了。東京大学助手、ハワイ大学がんセンター協力研究員を経て1979年順天堂大学助教授、1988年同大学教授、2008年より現職。保健学博士、医学博士。

稲葉 裕先生

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