子ども(乳幼児)の平熱は?

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2022年11月時点の情報で更新しました。

監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー)

体温は生まれてすぐは高く、成長に伴いだんだん落ち着いていきます。

児童福祉法では乳児は生後すぐから満1歳に満たない者、幼児は満1歳から小学校入学までとしています。
乳幼児の体温は生まれて1カ月くらいは高めで、時間帯にもよりますが、3~4歳児と比べ0.3~0.5℃程度高くなっています。3~4カ月以降は少しずつ下がっていきます。
この表は、乳幼児から中学生までの健康な小児の体温のデータですが、個人差もありますので、お子さんの「平熱」を知っておくことが大切です。

健康小児の腋窩温
(平均値±標準偏差) (1978年秋) (10分間測定)

赤字:生まれてすぐは高い。

    月年齢 個数
(人)
起床前 昼食前
(10~20時)
午後
(4~6時)
就床前 日差



4-5日
1か月

3-4か月
6か月
1-2歳
3-4歳
5-6歳
28
58

40
69
124
123
187
36.67±0.30
36.68±0.25

36.35±0.34
36.28±0.34
36.11±0.45
36.13±0.32
36.20±0.38
36.70±0.29
36.62±0.27

36.47±0.35
36.43±0.39
36.45±0.37
36.40±0.38
36.49±0.37
36.78±0.28
36.72±0.27

36.38±0.42
36.42±0.39
36.51±0.34
36.47±0.38
36.57±0.34
36.71±0.26
36.72±0.23

36.40±0.46
36.40±0.39
36.34±0.43
36.30±0.39
36.37±0.37
0.11
0.10

0.12
0.15
0.40
0.34
0.37


1年
2年
3年
4年
5年
6年
299
320
347
336
335
307
36.25±0.34
36.23±0.32
36.26±0.37
36.27±0.35
36.30±0.35
36.26±0.36
36.67±0.46
36.65±0.36
36.60±0.41
36.60±0.37
36.53±0.39
36.40±0.35
36.52±0.37
36.58±0.39
36.53±0.41
36.55±0.38
36.54±0.38
36.50±0.39
36.31±0.37
36.32±0.36
36.32±0.39
36.33±0.35
36.36±0.40
36.34±0.34
0.42
0.42
0.34
0.33
0.24
0.24


1年
2年
3年
486
500
438
36.24±0.34
36.23±0.35
36.24±0.32
36.43±0.38
36.46±0.38
36.41±0.39
36.55±0.40
36.63±0.33
36.53±0.35
36.31±0.35
36.33±0.37
36.32±0.33
0.31
0.40
0.29

    月年齢 個数
(人)
起床前 昼食前
(10~20時)
午後
(4~6時)
就床前 日差



4-5日
1か月
3-4か月
6か月
1-2歳
3-4歳
5-6歳
26
81
51
114
112
115
186
36.68±0.28
36.66±0.28
36.40±0.37
36.27±0.38
36.10±0.42
36.10±0.43
36.19±0.38
36.70±0.23
36.64±0.27
36.46±0.36
36.45±0.34
36.42±0.40
36.43±0.36
36.47±0.39
36.76±0.27
36.79±0.24
36.38±0.40
36.40±0.35
36.45±0.41
36.57±0.34
36.51±0.35
36.71±0.25
36.78±0.26
36.42±0.40
36.45±0.33
36.29±0.38
36.28±0.41
36.31±0.40
0.08
0.15
0.08
0.18
0.35
0.47
0.32


1年
2年
3年
4年
5年
6年
289
327
298
335
300
305
36.23±0.35
36.19±0.37
36.21±0.42
36.27±0.36
36.25±0.34
36.29±0.34
36.63±0.44
36.55±0.40
36.45±0.42
36.43±0.45
36.45±0.36
36.50±0.39
36.46±0.38
36.50±0.39
36.42±0.42
36.46±0.37
36.47±0.33
36.49±0.38
36.31±0.36
36.28±0.36
36.26±0.39
36.28±0.36
36.30±0.36
36.36±0.34
0.40
0.36
0.24
0.19
0.22
0.21


1年
2年
3年
402
418
388
36.24±0.34
36.21±0.39
36.22±0.35
36.31±0.30
36.30±0.43
36.30±0.41
36.50±0.38
36.49±0.41
36.47±0.43
36.26±0.37
36.30±0.39
36.21±0.39
0.26
0.28
0.26

(今村・巷野:新・小児保健 第13版, 診断と治療社, P50, 2010)

平熱を知っておこう

では平熱はどのように測ればよいのでしょうか。
平熱は1つではなく、時間帯によって異なります。
体温は1日のうちで1℃以内程度の変動があり、午前4時ごろが最も低く、午後から夕方にかけて高い状態になります。
平熱は時間帯によって変わりますから、同じ条件での測定を心がけましょう。例えば、食後すぐは体温が上がりますから、食前や食間に検温するのが適切です。また平熱の測定は1日だけでなく、日を置いて何回か測ってみましょう。なお、感染症法では、37.5℃以上を「発熱」、38.0℃以上を「高熱」としています。

お母さんが子供を抱っこする様子です。

<本記事における下記のことばの定義>
「乳児」・・1歳未満
「幼児」・・満1歳から小学校就学前まで
「児童」「少年」・・18歳未満
※参考:児童福祉法

子ども(乳幼児)の体温の測り方
検温表

監修者紹介

草川功

聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー

東京医科大学病院小児科、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門などを経て1992年より聖路加国際病院小児科。2005年より同病院小児科医長。2022年より現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
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