公共空間における感染予防のための体温スクリーニング手法の検討

鈴木 達彦、和田 優子、和田 耕治
テルモ株式会社 マーケティング室、テルモ株式会社 ホスピタルカンパニーテルモ体温研究所、北里大学 医学部 衛生学 公衆衛生学

第26回 日本環境感染学会総会抄録

目的

新型インフルエンザ等の流行に際し、発熱者を特定して入場制限等を行うことで感染の拡大予防ができる可能性がある。本研究では、公共空間における不特定多数を想定した体温測定手法の妥当性を検討した。

対象と方法

冬季(2月上旬)の東京都にて実験を行い、18〜80歳未満の健常なボランティア50名(男女1:1、平均40.6±15.9歳)を被験者とした。腋窩体温計で体温の基準値を測定し、比較としてA法:耳式体温計(自己測定)、B法:同(他者測定)及びC法:サーモグラフィを用いて測定した。まず被験者を室外環境[平均12.6℃]にて安静状態で20分間待機させた後、上記の4手法で測定し、もう1度待機を含め繰り返した(未馴化条件)。のち室内環境[平均20.0℃]にて同様に待機させ測定した(馴化条件)。数値解析はSPSS 17.0を用い、ROC曲線のAUCと標準誤差を算出し妥当性を検証した。

結果

基準法における体温の中央値(36.7℃)以上を各手法で検出することを想定したROC曲線のAUCは、未馴化条件でA法0.62±0.06(p<0.05)、B法0.67±0.06(p<0.01)及びC法0.65±0.06(p<0.05)といずれも不十分(poor)であった。しかし、馴化条件ではA法0.74±0.05およびB法0.72±0.05は妥当(fair)であり(p<0.01)、C法は0.57±0.06(p=0.24)と不十分(poor)であった。

結論

腋窩温36.7℃以上の通行者をスクリーニングする場合、馴化後に耳式体温計で体温を測定すると妥当であることが示唆された。

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