子どもの熱が出る病気:水ぼうそう(水痘)

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2022年11月時点の情報で更新しました。

監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー)

どんな病気?

水ぼうそう(水痘)は、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスに接触感染、飛沫感染、空気感染することによって発症する病気です。
9歳以下の子どもがかかることが多く、特徴的な発疹が全身に広がっていきます。一度感染すると免疫を獲得しますが、治癒後もウイルスは体に潜伏し、何年か後に帯状疱疹として再発することがあります。2014年から水痘・帯状疱疹ウイルスに対するワクチンが乳児期の定期接種に定められています。予防接種の普及により、発症する子どもは減っています。

どんな症状?

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると10日~2週間ほどの潜伏期間を経て、赤い発疹が出て、それが次第に盛り上がって水泡になり、かさぶたになっていきます。発疹は頭皮にもできるのが特徴です。発熱や強いかゆみを伴うこともあります。
発症初期は発疹が少数あるのみですが、1~2日たつと急激に水泡が増えていきます。かさぶたになるのは、発症後1週間~10日ほどです。
成人の場合は重症化することが多く、高熱が続いたり、発疹に細菌感染を引き起こしたりすることもあります。また、肺炎や髄膜炎、脳炎などの重篤な合併症を起こしやすいといわれています。

治療・ケア

初期であれば抗ウイルス薬で症状を抑えることができます。発疹のかゆみを抑える薬も使われます。
予防するにはワクチン接種が効果的で、1歳になったらなるべく早く受けましょう。

<本記事における下記のことばの定義>
「乳児」・・1歳未満
「幼児」・・満1歳から小学校就学前まで
※参考:児童福祉法

監修者紹介

草川功

聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー

東京医科大学病院小児科、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門などを経て1992年より聖路加国際病院小児科。2005年より同病院小児科医長。2022年より現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
カテゴリ
テーマ
キーワード
大切なあの人に伝えよう!