感染症予防の基本は、手洗いとマスク

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2021年7月時点の情報となります。

手洗いとマスクの着用は、新型コロナウイルス感染症、かぜやインフルエンザなど、すべての感染症予防に効果があります。
監修:岡部信彦(川崎市健康安全研究所 参与)

一人ひとりが確実に

手洗いについて

手を洗うことは感染症予防の第一歩です。手の洗い方についてアメリカ疾病対策センター(CDC)が推奨している方法をご紹介しますので、参考にしてください。

図1 手洗いのしかた

洗い方

手をぬらし、液状、固型、または粉の石鹸を手につけます。
両手をしっかりとこすり合わせ、石鹸を泡立て、その泡で手のすみずみまで残さずに洗ってください。

微生物を取り除くには20秒間以上洗う必要があります。「ハッピーバースディ」の歌を2回歌うと、ちょうどそれくらいの時間になります。

流水で手をよくすすぎます。
ペーパータオルか、ドライヤーで手を乾かします。

蛇口を閉めて水を止めます。このとき、できれば使い終わったペーパータオルを使って蛇口を閉めてください。

*石けんで手が荒れる人は、石けんを使わなくてもかまいません。でも石けんを使わないときでも、ハッピーバースデーを2回以上歌って、ていねいに手を洗ってください。
*手を洗えないときは、アルコール入りのウェットティッシュか、ジェルを使ってください。
(アルコール消毒は濃度70%以上95%以下のエタノールを用いる)1)

1)厚生労働省 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

マスクについて

熱やせきなどの症状のある人はもちろん、症状のない人もマスクをつけましょう。
マスクは正しくつけないと、せっかくつけていても十分な効果が得られません。つけ方のポイントを知っておきましょう。

マスクの着け方

  • 1ワイヤーがついている方を上にして、ギャザーを伸ばす。
    不織布の部分ではなく、ゴムの部分を持つ(手は清潔に)。
  • 2マスクを顔にあてる。鼻や頬のカーブに合わせ、すき間ができないようにワイヤーを折り曲げる。
  • 3鼻やあごが出ないように、しっかりマスクを伸ばす。
  • 4鼻のわき、左右の頬、あごの下のすき間をチェック。きちんとフィットしているか確認。
イラスト1 正しいマスクのつけ方
厚生労働省ホームページ

せきエチケット

万が一マスクをしていないときに、せきやくしゃみが出そうになったら、せきエチケットを守りましょう。

  • ハンカチやティッシュで口や鼻をおおう。
  • 服の袖口で口や鼻をおおう。
イラスト2 せきエチケット
厚生労働省ホームページ

監修者紹介

岡部信彦

川崎市健康安全研究所 参与

1971年、東京慈恵会医科大学卒業。同大学小児科で研修後、帝京大学小児科助手、その後、慈恵医大小児科助手。国立小児病院感染科、神奈川県立衛生看護専門学校付属病院小児科などに勤務。1991~1994年、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(フィリピン・マニラ市)伝染性疾患予防対策課課長。1994~1997年、慈恵医大小児科助教授。1997年、国立感染症研究所感染症情報センター・室長。2000年、同研究所感染症情報センター長。2012年から川崎市健康安全研究所 所長に就任し、2024年より現職。内閣官房新型コロナウイルス感染症対策分科会委員、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード委員を歴任。

岡部先生
からのメッセージ
新型コロナウイルス感染症も、インフルエンザも、ノロウイルスも感染症です。感染症はまずは自分が病気にならないよう、そして人にうつさないように、自分を大切にし、人を思いやることによってその数を減らし、重症になる方、亡くなる方を減らすことができます。病気になった時の治療は医療機関で行いますが、病気にならないための予防は、一人ひとりが生活の中でやらないとできません。糖尿病や肥満などの生活習慣に係る慢性の病気を早く見つけ、いい状態に保っておくことも、感染症を悪化させない重要な点です。健康診断や慢性疾患の息の長い治療も飽きずに、きちんと続けてください。
新型コロナウイルス感染症は、インフルエンザやノロウイルスほどかかりやすい感染症ではありません。それだけに身近に感じないのかもしれませんが、かかった時の重症化の割合や後遺症の問題はインフルエンザやノロウイルスよりもはるかに高くなることも忘れずにいてください。
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