体温計の種類

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2021年7月時点の情報となります。

体温計には測定する体の部位や計算方法によって複数の種類があります。
体温計の特徴を理解して、体温測定の目的にあった体温計を選びましょう。

体温計には測定する体の部位や計算方式によってさまざまな種類があります。
種類によって、精度やスピードなどが異なりますので、体温測定の目的に合った体温計を選ぶことが重要です。

測定部位による違い

ワキ

日本でもっともよく体温測定に用いられるのが腋下体温計です。細い棒のような形状をしていて、ワキに挟んで体温を測定します。ワキをしっかり閉めることで、外気の影響を受けにくく、ワキに体内の温度を反映させた平衡温(へいこうおん)を測定します。

口中

体温計を舌下にあてて、口を閉じて測定します。個人差がありますが、ワキ下で測定した体温に比べて、高い値が表示されます。基礎体温測定の専用の体温計では、細かなメモリ(0.01)目量で精度のより高いものがあります。

額等から放出される赤外線を体温に換算して表示します。表示する体温は、ワキで測定した体温や口中で測定した体温に換算した値など、製品によって異なります。約1秒から測定ができ、非接触の検温が可能です。速く簡単に測定できるため、乳幼児や高齢者の体温測定に用いられることが多かったのですが、非接触での検温が感染症対策に広く使用されるようになっています。

赤外線センサーで耳の中の赤外線を測定し、体温を測定します。短時間で測定できるため、乳幼児の体温測定に多く使用されてきました。個人によって耳の形状が異なるため、自身の測定位置を把握することが重要です。

上記のほかに、直腸で測定する体温計もあります。手術や診断でより正確な体温測定が求められる医療現場において、乳幼児や術中の患者の体温測定に使用されることがあります。

体温の検知方法による違い

電子体温計

温度の変化を感知する電子部品を用いた体温計です。温度の変化によって電気の流れにくさ(抵抗値)が大きく変化するセンサーにより、温度の高低を計算して体温として表示します。水銀体温計よりも簡便で使いやすく、日本で主に使用されている体温計です。

水銀体温計

水銀が温度によって膨張する性質を利用した体温計です。温度による変化を目盛りで数値化し、体温として表示します。電子体温計が開発される前はよく使用されていましたが、環境に負荷の高い水銀を使用していること、またガラス管が割れると水銀が健康によくないということもあり、電子体温計が主流にとなっています。今では日本を含む多くの国で、新しい水銀体温計の製造・販売は禁止されています。

表示方法の違い

予測式体温計

測定開始からの体温上昇の変化を感知。その特徴から最適な予測式を選択して、数分後の体温を予測・表示します。

実測式体温計

測定部位の温度を測定し、そのまま表示する方式です。ワキでは約10分、口中では約5分かかります。

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