子どもの熱が出る病気:川崎病

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2022年11月時点の情報で更新しました。

監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー)

どんな病気?

川崎病は、乳幼児期に好発する後天性疾患で、発熱と共に全身の血管に炎症が起きます。4歳以下、特に1歳前後で発症しやすく、男の子のほうが多いとされています。人にうつる感染症ではありません。
川崎病は遺伝学的な因子や環境因子などが複雑に関与していると考えられていますが、原因が完全に解明されているわけではありません。
重篤な合併症である心臓の冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)が残ると、冠動脈内の血栓を予防するために長期的な内服薬の使用や、状態によっては運動制限などが必要となる場合があります。

どんな症状?

主に下記の6つの症状がみられ、5つ以上あてはまる場合に、川崎病と診断されます。

  • 発熱
  • 両側眼球結膜の充血
  • 口唇の赤み、いちご舌(舌にいちごのようなツブツブができる)、咽頭の発赤
  • 発疹(場所が定まらない赤味を帯びた発疹、BCG接種痕の発赤など)
  • 四肢の変化(手足が紅くなりパンパンに腫れる、指先から膜様に皮がめくれる)
  • 首のリンパ節の腫れ

治療・ケア

診断がついたら、入院して治療します。冠動脈瘤を起こさなければ、通常1~2週間ほどで退院できます。退院後は薬を服用しながら経過観察します。

<本記事における下記のことばの定義>
「乳児」・・1歳未満
「幼児」・・満1歳から小学校就学前まで
※参考:児童福祉法

監修者紹介

草川功

聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー

東京医科大学病院小児科、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門などを経て1992年より聖路加国際病院小児科。2005年より同病院小児科医長。2022年より現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
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