子どもの熱が出る病気:結核

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2022年11月時点の情報で更新しました。

監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー)

どんな病気?

結核は、結核菌に空気感染・飛沫感染することによって発症する病気です。肺に感染して症状を引き起こすことが多いので、咳や痰などが主要症状として知られています。結核による死亡者数は1947年をピークに減少していきましたが、いまでも結核によって死亡する人は2,000人前後おり、過去の病気と言い切ってしまうことはできません。赤ちゃんは両親や祖父母から感染することが多いとされています。予防接種の普及により、発症する子どもは非常に減っています。

どんな症状?

咳や痰など、かぜのような症状が現れ、微熱が続いて食欲も低下します。乳幼児は重症化しやすく、血液に菌が入る粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)や結核性髄膜炎などを引き起こすことがあります。

治療・ケア

結核を発症した場合は、抗結核薬を服用するなどの治療を行います。
結核にかからないためには何よりも予防が大切で、結核に効くBCG接種は、1歳までは無料で受けることができます。

<本記事における下記のことばの定義>
「乳児」・・1歳未満
「幼児」・・満1歳から小学校就学前まで
※参考:児童福祉法

監修者紹介

草川功

聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー

東京医科大学病院小児科、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門などを経て1992年より聖路加国際病院小児科。2005年より同病院小児科医長。2022年より現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
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