公開日2021.08.30
※当コンテンツの内容は2022年11月時点の情報で更新しました。
監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー )
目次
発熱の程度を判断するには、平熱を知っておく必要があります。37.5℃の熱が出た場合、平熱が36.5℃の人では平熱より1℃高いのですが、平熱が37.0℃の人では0.5℃しか高くなっていないということになります。ふだんから平熱を測っていれば、どの程度の発熱かがわかります。
では平熱はどのように測ればいいのでしょうか。体温は1日のうちでも1℃以内程度の変動があり、午前4時ごろが最も低く、午後から夕方にかけて高い状態になります。つまり、平熱は1つではなく、時間帯によって異なるのです。
平熱の測り方は、起床時、午前、午後、夜の計4回体温を測り、時間帯ごとの平熱として把握することが理想ですが、現実的には難しいですから、同じ条件での体温を比較するように心がけましょう。
食後すぐは体温が上がりますから、食前や食間に検温するのが適切です。また平熱の測定は1日だけでなく、日を置いて何回か測ってみましょう。なお、感染症法では、37.5℃以上を「発熱」、38.0℃以上を「高熱」に分類しています。
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体温の高さは1つの目安になりますが、体温が高いほど重症かというと、そうとは言い切れません。子どもの顔色が青くなって体が震えたりすると、重症の病気のような印象になりますが、そのような場合でも何時間かたって体温が下がると、けろっとして笑顔が出て食事もよく食べるということがあります。
逆に、体温がそれほど高くなくても、機嫌が悪かったり、食欲がなかったり、体のどこかが痛かったりしている場合は、注意深く様子をみる必要があります。
また、おしっこの間隔があいたり、回数が減ったりしていれば脱水症の目安になります。
いろいろな病気があって、熱の出方もいろいろですから、一概には言えません。しかし、突然高い熱が出るというのは、体の中で大きな異変が起こったということですから、注意が必要です。例えば、インフルエンザにかかった時は、ふつうの風邪と違って、いきなり38℃以上の高い熱が出たりします。
熱中症でも、はっきりと体温が上がったとき、とくに40℃以上の熱が出たら、熱中症のなかでも最も重い「熱射病」の可能性があります。こんなときは急いで病院に連れて行きましょう。
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生後3カ月未満の場合を除けば、熱の高さだけで病院に行くか、行かないかを決めるべきではありません。
熱以外の症状や、体の状態をみて判断することが大切です。ひとことでいえば「機嫌が悪い」とか「ふだんと様子が違う」ということになりますが、次のような場合は病院を受診する目安になると思いますので、参考にしてください。
子どもは、いつ熱を出すかわかりません。夜中に発熱した場合は、何かを買いに行くにも店が開いていないといった問題があります。発熱に備えて、ふだんから準備しておいたほうがよいものとして、次のような品目が考えられます。
※経口補水液は、水道水1Lに食塩1~2gと砂糖大さじ2~4杯(20~40g)を混ぜて簡易的につくることができます。
体温が高いと何とか熱を下げなければという気持ちになりますが、じつは発熱そのものが病気を治そうとしている生体反応の一つなのです。少なくとも発熱が軽度で、ほとんど苦痛を訴えない場合は解熱剤の必要はなく、むしろ与えないほうがよいとされています。解熱剤を使うべきかどうか判断がつかない場合は、かかりつけ医師に相談してください。
子ども、とくに就学前の乳幼児の体温は、環境の温度が高いとすぐ高くなる傾向があります。暑い部屋にいたり、厚着をさせたまま暖かい部屋にいると、熱が体内にこもって体温が高くなることがあります。
暑い環境にいると、人間は汗をかいて体表面から汗を出し、その気化熱で体温を下げようとするのですが、乳幼児は大人に比べ、体温の調節機能がそれほど発達していません。また体重あたりの体表面積が大きいため、環境温の変化を受けやすいのです。
ですから、「ちょっと暑いのかな?」と思ったら、薄着にさせてみると、体温が落ち着いてきて、機嫌もよくなることがあります。
熱が高いと脳がダメージを受けると心配する人がいますが、あまり心配はないとされています。もちろん、髄膜炎とか脳炎などの脳に傷害を与える病気も、高熱が出ます。
しかし、少なくとも41℃未満では、単純に熱そのものが原因で、脳にダメージを与えることはないと考えられています。41℃以上の熱は、発熱単独でも全身に悪影響を与える恐れがありますが、これは、脳だけというよりも、全身に対する影響が起こるということです。
<本記事における下記のことばの定義>
「乳児」・・1歳未満
「幼児」・・満1歳から小学校就学前まで
※参考:児童福祉法
草川功
聖路加国際病院 小児科 診療教育アドバイザー
東京医科大学病院小児科、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門などを経て1992年より聖路加国際病院小児科。2005年より同病院小児科医長。2022年より現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。