病気としっかり向き合って
子育てで何が心配かといえば、子どもに現れるいろいろな症状です。体が熱いから体温を測ったら37度5分あった、今朝から咳が出る、いつもと違った便が出たなど、あげればきりがありません。症状が現れるのには、それなりの原因があります。例えば、かぜのウイルスによる感染があれば、発熱したり咳をするでしょう。しかし発熱する病気は、かぜだけではありません。もし怖い病気だったらどうしよう‥と不安になったり、弱気になったりします。しかし病気の原因や治療・予防方法を知って、とりあえずのケアができれば、その不安を軽くできたり、さらに病気が悪くなるのを防ぐこともできるでしょう。そこで、ここでは子どもが発熱する病気の代表的なものを取り上げて説明したいと思います。
解説
犯人は空気中のウイルス
空気中には「かぜ」のもとになるウイルスがあって、人間の鼻や口から身体の中にはいってきます。体力が弱っている人や、抵抗力の弱い子どもや老人は、細胞がウイルスに勝てず、かぜにかかることがあります。かぜのウイルスには、ライノウイルス、コロナウイルスなど200種類以上もあるといわれています。
症状は、くしゃみ、鼻水、せき、熱など
くしゃみや鼻水、せきが出てのどが痛くなったり、熱が出たり、おなかが痛くなったりすると「かぜを引いた」といいます。これが「かぜ症候群」です。夏はのどの痛みや高熱、下痢など。冬は鼻水やせき、熱が出るかぜが多いようです。
よく休んで栄養をとる
じつは、かぜの原因ウイルスを直接退治する薬はありません。かぜ薬は、かぜの症状をやわらげてくれますが、まずは安静にしてゆっくり休むのがいちばんです。予防のためには、毎日うがいや手洗いをしっかりすること。それに運動して身体を強くすることも大切です。
監修者紹介
巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。
巷野先生からのメッセージ
赤ちゃんが健康なときの体温をはかっておきましょう。朝起きたとき・昼頃・夕方・寝る前の4回。
これを母子健康手帳に書いておくと、予防接種を受けるときや、少し熱があるときなど参考になります。
体温は一人ひとり違うからです。しかし熱があるからといって、目盛りの数字にとらわれないで、そのときの赤ちゃんの機嫌や全体の様子などを、優先して判断しましょう。

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