病気としっかり向き合って
子育てで何が心配かといえば、子どもに現れるいろいろな症状です。体が熱いから体温を測ったら37度5分あった、今朝から咳が出る、いつもと違った便が出たなど、あげればきりがありません。症状が現れるのには、それなりの原因があります。例えば、かぜのウイルスによる感染があれば、発熱したり咳をするでしょう。しかし発熱する病気は、かぜだけではありません。もし怖い病気だったらどうしよう‥と不安になったり、弱気になったりします。しかし病気の原因や治療・予防方法を知って、とりあえずのケアができれば、その不安を軽くできたり、さらに病気が悪くなるのを防ぐこともできるでしょう。そこで、ここでは子どもが発熱する病気の代表的なものを取り上げて説明したいと思います。
解説
肺のいちばん奥までウイルスが
肺は気管支よりもさらに奥。肺の中の肺胞という小さな袋がたくさん集まったような部分にウイルスや菌が入り込んで炎症を起こします。細菌性の肺炎では、肺にうみがたまって呼吸困難になることもあります。
高熱とせき、胸の痛みなど
ウイルス性の肺炎がいちばん多く、のどの痛みから、40度ちかい高熱、そしてせきと鼻水もはげしくなります。しかし身体の抵抗力がとても弱くなっている場合は、熱が出ないこともあります。呼吸が苦しくなり、胸に痛みが走ることもあります。
高熱が3〜4日続いたら病院へ
肺炎になると点滴などの治療が必要になることが多く、入院になることが多くなります。かぜをひいて3〜4日以上高熱が続き、せきがひどくて苦しそうだったら、すぐに病院にいきましょう。
監修者紹介
巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。
巷野先生からのメッセージ
赤ちゃんが健康なときの体温をはかっておきましょう。朝起きたとき・昼頃・夕方・寝る前の4回。
これを母子健康手帳に書いておくと、予防接種を受けるときや、少し熱があるときなど参考になります。
体温は一人ひとり違うからです。しかし熱があるからといって、目盛りの数字にとらわれないで、そのときの赤ちゃんの機嫌や全体の様子などを、優先して判断しましょう。

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