病気としっかり向き合って
子育てで何が心配かといえば、子どもに現れるいろいろな症状です。体が熱いから体温を測ったら37度5分あった、今朝から咳が出る、いつもと違った便が出たなど、あげればきりがありません。症状が現れるのには、それなりの原因があります。例えば、かぜのウイルスによる感染があれば、発熱したり咳をするでしょう。しかし発熱する病気は、かぜだけではありません。もし怖い病気だったらどうしよう‥と不安になったり、弱気になったりします。しかし病気の原因や治療・予防方法を知って、とりあえずのケアができれば、その不安を軽くできたり、さらに病気が悪くなるのを防ぐこともできるでしょう。そこで、ここでは子どもが発熱する病気の代表的なものを取り上げて説明したいと思います。
解説
扁桃(へんとう)とは?
扁桃とは、のどの奥にあるリンパ組織の部分のことで、病気の原因となる菌が体の中に入るのを防ぐ役割をしています。この扁桃にウイルスや細菌が感染すると、炎症を起こし扁桃がはれあがります。とくに体の免疫ができてない子どもが、かかることが多いようです。扁桃は4〜8歳のあいだに大きくなり、おとなになると小さくなります。
のどが赤くはれあがり、高熱がでる
急に38℃以上の高熱がでます。扁桃が赤くはれあがり、発熱から2〜3日すると扁桃に白いぶつぶつができることもあります。白いぶつぶつは、うんできて黄色っぽくなることもあります。扁桃がはれるとのどが焼けるように痛み、つばを飲むだけでも痛みを感じます。正式名称は「急性扁桃炎」といいます。
うがいはのどの病気を予防する基本
食事は飲み込みやすいものにし、水分を取りながら安静にしましょう。熱い食べ物は避けましょう。普通は1週間ほどで炎症がおさまり、症状もよくなっていきます。予防には、普段から手洗い、うがいをして菌を洗い流しておくのがいちばんです。
監修者紹介
巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。
巷野先生からのメッセージ
赤ちゃんが健康なときの体温をはかっておきましょう。朝起きたとき・昼頃・夕方・寝る前の4回。
これを母子健康手帳に書いておくと、予防接種を受けるときや、少し熱があるときなど参考になります。
体温は一人ひとり違うからです。しかし熱があるからといって、目盛りの数字にとらわれないで、そのときの赤ちゃんの機嫌や全体の様子などを、優先して判断しましょう。

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