病気としっかり向き合って
子育てで何が心配かといえば、子どもに現れるいろいろな症状です。体が熱いから体温を測ったら37度5分あった、今朝から咳が出る、いつもと違った便が出たなど、あげればきりがありません。症状が現れるのには、それなりの原因があります。例えば、かぜのウイルスによる感染があれば、発熱したり咳をするでしょう。しかし発熱する病気は、かぜだけではありません。もし怖い病気だったらどうしよう‥と不安になったり、弱気になったりします。しかし病気の原因や治療・予防方法を知って、とりあえずのケアができれば、その不安を軽くできたり、さらに病気が悪くなるのを防ぐこともできるでしょう。そこで、ここでは子どもが発熱する病気の代表的なものを取り上げて説明したいと思います。
解説
夏のスポーツは注意が必要
温度が高い環境にいたり、暑い日に運動をすると体温が上がり、熱がこもって体温調節が追いつかなくなります。汗を大量にかくと、体の水分不足によって血液濃度が高くなり、血圧も低下してしまいます。重症の場合は脳・肺・肝臓・腎臓の全身の臓器がうまく働かず、死に至る場合もあります。
疲労による頭痛や吐き気
熱中症は体のだるさ、血圧低下により体に力がはいりません。そしてめまい・頭痛・吐き気を感じ、脈拍が速く、弱くなることもあり、顔も青白くなります。足や腕、おなかの筋肉に痛みを感じる熱けいれんなどは、熱中症の中でも比較的軽いほうですが、暑くてむしむしした高温多湿の環境で起こりやすい熱射病は、意識がなくなり生命の危険があるほど熱中症の中でも重症です。
発症前の予防が大切
熱中症の中でも危険な熱射病にならないために、スポーツ飲料などでのこまめな水分補給が必要です。ものすごく暑い日は、外出を避けると良いでしょう。熱中症で気分が悪い場合は、木陰など利用し、体温を下げ水分補給をしましょう。水分補給や体を冷やしても体温が下がらず、意識がもうろうとしている場合はとくに注意です。
監修者紹介
巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。
巷野先生からのメッセージ
赤ちゃんが健康なときの体温をはかっておきましょう。朝起きたとき・昼頃・夕方・寝る前の4回。
これを母子健康手帳に書いておくと、予防接種を受けるときや、少し熱があるときなど参考になります。
体温は一人ひとり違うからです。しかし熱があるからといって、目盛りの数字にとらわれないで、そのときの赤ちゃんの機嫌や全体の様子などを、優先して判断しましょう。

ご利用上の注意
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